メッセージ




光と闇、陰と陽。


それは相対によって自己が存在すると同時に、自己を決して見失わない、
それでいて極まれば反転しながら永遠に運動を続けていくというエネルギー循環の
法則だ。依存でなく排他でない、流動的に相手を自己を生かしあう共存の姿、
東洋思想が教えてきた宇宙の法則である――。


『ヤマト嫁――沖縄に恋した女たち』(毎日新聞社刊)』よりLinkIcon






異文化の壁を乗り越え矛盾と闘い、マイナスをプラスに転換し、
自己を創造していくヤマト嫁たちの姿――。
そこには「生きがたさ」が逆に「生きやすさ」に
変わるという逆転のからくりがある。
都会では得られないよりヴィヴィッドな生の肌触りがある。


『ヤマト嫁――沖縄に恋した女たち』(毎日新聞社刊)』より






そこでは、つらいこと、悲しいことを乗り越えるための音楽の存在が、
負を正に変える反転のしかけとして、
そして生のエネルギー変換装置として働いている。
音楽がもたらす、「生」へのポジティブなエネルギー。
白百合クラブの存在は、まごうかたなき「生」の肯定であった。


『島唄の奇跡 百合白が奏でる恋物語、そしてハンセン病』(講談社刊)よりLinkIcon






この日のことを思い出すと、いつも浮かんでくるのは、
八重山の祈りの場、御嶽をはじめて訪れたときの感覚だ。
鬱蒼とした昼なお暗い杜に足を踏み入れ、
この先に何が待っているのだろうかとおそれを感じながらも、引き返すことはできず、
吸い寄せられるように奥へと歩を進めていく。
すると、その奥には、思いがけず光降りそそぐ空間が広がっている。
闇の奥の光、闇のなかに輝く一条の光を知ることになる、
そのまさにスタートラインに、この日のわたしは立っていたのであった。


『島唄の奇跡 百合白が奏でる恋物語、そしてハンセン病』(講談社刊)より